犬の祖先はオオカミであることは知られていますが、その進化の過程や歴史は謎に包まれています。本記事では、約4000万年前の犬の祖先「ミアキス」から、現代の犬に至るまでの進化のルーツと歴史を解説します。さらに、犬とオオカミの遺伝子や体の構造、生活スタイルの違いについても詳しくご紹介します。最後には、犬の本来の食事について解説し、健康的な食事選びのヒントをご提供します。
犬の祖先とは何か?

犬の祖先はオオカミと言われています。約1万5千年前、人間はオオカミを家畜化し、長い年月をかけて品種改良を行ってきました。犬とオオカミは遺伝子が99%一致しているという研究結果が発表されましたが、体の構造や生活スタイル、コミュニケーション方法などに違いがあります。
犬の先祖の起源と歴史の謎
ミアキス:犬の祖先の約4000万年前の起源
犬の進化の物語は、約4000万年前、始新世と呼ばれる地質時代にまで遡ります。この時代、小型の哺乳類であるミアキスが現れます。ミアキスは、イヌの直接の祖先ではありませんが、イヌ科の進化の重要な基礎となったと考えられています。ミアキスは、現代のイヌと比べて体長が約25cm、体重が約1kgと小型で、樹上棲の肉食動物でした。
ミアキスは、約3500万年前、始新世の後期にキノディクティスへと進化しました。

約3500万年前の犬の祖先「キノディクティス」の謎
約3500万年前、犬の祖先は「キノディクティス」という名の小型哺乳類でした。キノディクティスは、現在のイタチやマングースに似ていて、体長は約30センチメートルほどでした。キノディクティスは、主に北アメリカとヨーロッパに生息しており、小型哺乳類や昆虫を食べていたと考えられています。
近年、キノディクティスの研究が進展しており、新しい発見が相次いでいます。例えば、2019年にはキノディクティスの歯の化石が発見され、キノディクティスが肉食動物であったことが確認されました。また、2022年にはキノディクティスの頭蓋骨の化石が発見され、キノディクティスの脳構造が明らかになりました。
約2000万年前の犬の祖先「キノディスムス」の謎
約2000万年前、中型の犬のような動物「キノディスムス」がいました。キノディスムスは、主にネズミやリスなどの小型哺乳類を食べていました。キノディスムスは、現代の犬の祖先であるオオカミとコヨーテの共通の祖先だった可能性が高いと考えられています。しかし、キノディスムスについては、まだ多くの謎が残されています。例えば、キノディスムスの生活様式や絶滅の原因などについては、まだ十分に解明されていません。
イヌ科11属の派生:犬の祖先と現代のイヌの関係
イヌ科は11属に分類されており、犬の祖先であるオオカミを含む、それぞれの属が独自の進化を遂げてきました。現代のイヌに最も近い祖先は、約1万5000年前にオオカミから家畜化されたイエイヌです。
家畜化の歴史とイヌとヒトの関係
犬はオオカミから家畜化された動物の中で最も古い動物の1種です。その家畜化の歴史は 1 万年以上前、狩猟採集民の生活様式の変化とともに始まったと言われています。オオカミは人間のキャンプの周辺に食物を求めて近づき、その中で人間に友好的な個体が選択的に繁殖され、現在のイヌの祖先となったと考えられています。
イヌとヒトの長い歴史の中で、両者の関係は生活のあらゆる面で変化してきました。当初は狩猟や警備などの実用的な目的のために飼育されていましたが、時間の経過とともに、コンパニオンアニマル(犬や猫など、人間と密接な関係を持つ動物)としての役割が重要視されるようになりました。イヌは人間の感情を理解し、愛情と忠誠心を示すことができるため、家族の一員として大切にされています。
また、イヌは人間の生活に様々な恩恵をもたらしてきました。盲導犬や聴導犬などの介助犬として活躍したり、警察犬や麻薬探知犬として社会の安全に貢献したりしています。さらに、セラピー犬として精神的な癒しを与えたり、災害救助犬として人命救助に活躍したりするなど、イヌは人間にとってかけがえのない存在となっています。
イヌとヒトの関係は、単なるペットと飼い主という関係を超えて、互いを支え合い、共存していくパートナーのような存在と言えるでしょう。
犬とオオカミの違いとは?

犬と狼は遺伝子が99%一致している
犬と狼は、遺伝子が99%一致していると言われています。これは非常に高い一致率であり、両者が密接な関係にあることを示しています。
その理由は、犬は元々、狼から進化した動物だからです。約1万5千年前、一部の狼が人間と共存するようになり、徐々に人間に馴化されていきました。その過程で、人間に適応した特徴を持つ個体が生き残り、繁殖していった結果、現在の犬が誕生したと考えられています。
体の構造の違い
犬と狼は、生物学上では同じ「イヌ科」に分類されています。共通点は4足歩行で2対の犬歯があること、厚い被毛に覆われていることです。それ以外に、いろいろな違いがあります。
骨格
狼の脚はスラリと細長いですが、シカやイノシシを追いかけてどこまでも走り続けるほどの持久力を持っています。また、上腕が細く長い前足は、胸の真下(犬より後ろのほう)にあり、肩幅も狭く、肩関節をしっかりと伸ばせる構造となっています。また、狼の足のサイズは犬よりも大きい傾向にあります。
それに対して犬は、足の長さや太さは犬種によって様々で、肉球に丸みがあり愛らしい形をしています。
消化器官・腸
腸は、口や胃で分解した栄養を消化・吸収するため器官です。
植物や穀物を消化吸収するのには時間がかかるため、腸の長さは草食動物や、雑食動物のほうが肉食の動物より長くなっています。
犬は他の肉食動物同様に、草食動物や雑食動物と比べると腸は短いとされていますが、オオカミの腸が体長の約4倍であるのに対し、犬は5~7倍と少し長い傾向にあります。これは、人間との生活の過程で穀物などを食べる機会を増やし、それに対応していけるように徐々に腸の長さが長くなったと言われています。
生活スタイルの違い
社会性
犬は人間との生活の中で社会性を獲得してきました。そのため、群れで生活し、人間とのコミュニケーションを取る能力に長けています。一方、狼は野生動物であり、群れで生活していますが、人間とのコミュニケーションはほとんどありません。
コミュニケーション
狼は主に、「鳴き声」「ボディランゲージ」「匂い」でコミュニケーションを取ります。狼は犬のように連続的に吠えるのではなく、仲間の位置を確認するための遠吠えや、親子間でのクンクンと甲高い声で鳴くなどします。
また、狼の「ボディランゲージ」は、顔つきや威嚇、足の運び方などでコミュニケーションを図りますが、この行動は犬たちにも引き継がれており、犬がお腹を見せたり顔尾を舐めたりするのも「ボディランゲージ」のひとつです。
「匂い」に関しては、犬も同じです。犬が散歩中におしっこをかけたがるのと同じように、狼も匂い付けを行います。
狩猟行動
オオカミは、持久力型の狩をします。狼のスラリとした長い脚は、大型動物(鹿やイノシシなど)を獲物として狙うのに適しています。
一方、犬は人間とともに生活をし始めた最も古い動物とも言われています。そのため、狼のように生きているものを狩りして獲物を取るのではなく、人間などから食料をもらって生活していた歴史が長いとされています。しかし、一部の犬種においては、野生鳥獣を狩猟するために訓練された猟犬として人間の手助けをすることもあります。
犬が求める本来の食事とは?
犬の祖先であるオオカミは肉食動物です。そのため、犬も肉食動物としての本能を備えており、本来は肉を主食とする食事が理想的です。
しかし、現代のペットフードは穀物や小麦を多く含むものが多いのが事実です。
犬は小麦や穀物、野菜などを食べる必要があるのでしょうか。
小麦や穀物を食べても大丈夫?
実は、多くのドッグフードに含まれている小麦や穀物は犬にとって消化のしにくい食べ物なのです。
犬は、他の肉食動物に比べると腸が長いのは事実ですが、人間の腸と比べてみると腸が短いのが分かります。また、狼に比べると、雑食性の特徴が見られますが、人間と同じレベルで雑食性ではないのです。
小麦や穀物は犬にとって消化しにくい食べ物であり、アレルギーや消化器系の問題を引き起こす可能性もあります。肉食動物に近い消化器官を持っている犬は、穀物を効率的に消化するのに適していません。
犬に野菜は必要ないの?
野菜(食物繊維)を与えることで、腸内環境を整え、便秘予防や便通を良くする働きがあります。
しかし、どんな動物でも、野菜に含まれるビタミンやミネラルを消化・吸収できたとしても、食物繊維を消化することはできません。
そこで牛や馬などの草食動物は、微生物の力を借りて“発酵”させ、食物繊維を消化・吸収しているのです。また、肉食動物と草食動物では食性の違いが腸の長さに現れています。
草食動物は肉食動物に比べて腸が長いのですが、これは肉などの動物性食品は消化吸収が速やかであるのに対して、植物性のものは時間がかかるからです。
犬は、肉食に近い動物なので、生の野菜を消化・吸収することが苦手な動物です。与える際には、適切な量を守り、与えすぎないこと、消化がしやすいように必要に応じて調理をしてあげることが大切です。
バランスの摂れたフードには、すでに食物繊維が含まれていることが多いので、無理に野菜を与える必要はないですが、便通などでお悩みの場合は与えてみるのもオススメです。
また、野菜が醗酵されている状態は消化がしやすくなるので、醗酵した野菜を与えるのもオススメです。
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“ディアラ【生】醗酵フルーツ&ベジタブル“は季節ごとの様々な野菜と果物を醗酵熟成させました。
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手作り食のトッピングはもちろん、初めて生肉を与える場合にも。フードの5~10%ほどを目安によく混ぜてお使いください。
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フードの5~10%ほどを目安によく混ぜてお使
犬にオススメの消化しやすいフード
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【まとめ】犬のルーツを知りましょう!

犬のルーツと歴史を知ることで、私たちと犬との長い関わりをより深く理解することができます。犬は、ただペットとしてだけでなく、パートナーとして、家族として、これからも私たちと共に歩んでいくでしょう。
監修・運営者情報
監修・運営者 | 株式会社ディアラ |
お問い合わせ | tel: 046-836-0829 e-mail: petfoodfactory@diara-plus.com |
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