オオカミと犬は、見た目は似ていますが、実は違いもたくさんあります。
ここでは、生態や習性など様々な角度から、オオカミと犬の違いを徹底解説します。
犬の祖先は狼?
犬は私たちの人間と暮らしてきた長い歴史があり、今では多くの犬が人間と上手に共存しています。しかし、意外にも、彼らの起源はオオカミにあると言われています。
遺伝子が99%一致している?
犬と狼は、遺伝子が99%一致していると言われています。これは非常に高い一致率であり、両者が密接な関係にあることを示しています。
その理由は、犬は元々、狼から進化した動物だからです。約1万5千年前、一部の狼が人間と共存するようになり、徐々に人間に馴化されていきました。その過程で、人間に適応した特徴を持つ個体が生き残り、繁殖していった結果、現在の犬が誕生したと考えられています。
日本犬が最も狼に近い犬種
さらに、日本の犬種である秋田県や柴犬の方が、西洋の犬よりも狼に近いということもわかっているのです。
犬と狼の特徴と違い
人間との共存の中で過ごしやすい形に進化していったのが犬、野生で暮らし続けたのが狼だと言われていますが、犬と狼の具体的な違いは何なのでしょうか?
見た目・体の構造
犬と狼は、生物学上では同じ「イヌ科」に分類されています。共通点は4足歩行で2対の犬歯があること、厚い被毛に覆われていることです。それ以外に、いろいろな違いがあります。
骨格
狼の脚はスラリと細長いですが、シカやイノシシを追いかけてどこまでも走り続けるほどの持久力を持っています。また、上腕が細く長い前足は、胸の真下(犬より後ろのほう)にあり、肩幅も狭く、肩関節をしっかりと伸ばせる構造となっています。また、狼の足のサイズは犬よりも大きい傾向にあります。
それに対して犬は、足の長さや太さは犬種によって様々で、肉球に丸みがあり愛らしい形をしています。
消化器官・腸
腸は、口や胃で分解した栄養を消化・吸収するため器官です。
植物や穀物を消化吸収するのには時間がかかるため、腸の長さは草食動物や、雑食動物のほうが肉食の動物より長くなっています。
犬は他の肉食動物同様に、草食動物や雑食動物と比べると腸は短いとされていますが、オオカミの腸が体長の約4倍であるのに対し、犬は5~7倍と少し長い傾向にあります。これは、人間との生活の過程で穀物などを食べる機会を増やし、それに対応していけるように徐々に腸の長さが長くなったと言われています。
生活スタイル・習性
社会性
犬は人間との生活の中で社会性を獲得してきました。そのため、群れで生活し、人間とのコミュニケーションを取る能力に長けています。一方、狼は野生動物であり、群れで生活していますが、人間とのコミュニケーションはほとんどありません。
コミュニケーション
狼は主に、「鳴き声」「ボディランゲージ」「匂い」でコミュニケーションを取ります。狼は犬のように連続的に吠えるのではなく、仲間の位置を確認するための遠吠えや、親子間でのクンクンと甲高い声で鳴くなどします。
また、狼の「ボディランゲージ」は、顔つきや威嚇、足の運び方などでコミュニケーションを図りますが、この行動は犬たちにも引き継がれており、犬がお腹を見せたり顔尾を舐めたりするのも「ボディランゲージ」のひとつです。
「匂い」に関しては、犬も同じです。犬が散歩中におしっこをかけたがるのと同じように、狼も匂い付けを行います。
狩猟行動
オオカミは、持久力型の狩をします。狼のスラリとした長い脚は、大型動物(鹿やイノシシなど)を獲物として狙うのに適しています。
一方、犬は人間とともに生活をし始めた最も古い動物とも言われています。そのため、狼のように生きているものを狩りして獲物を取るのではなく、人間などから食料をもらって生活していた歴史が長いとされています。しかし、一部の犬種においては、野生鳥獣を狩猟するために訓練された猟犬として人間の手助けをすることもあります。
犬が求める本来の食事とは?
犬の祖先であるオオカミは肉食動物です。そのため、犬も肉食動物としての本能を備えており、本来は肉を主食とする食事が理想的です。
しかし、現代のペットフードは穀物や小麦を多く含むものが多いのが事実です。
犬は小麦や穀物、野菜などを食べる必要があるのでしょうか。
小麦や穀物を食べても大丈夫?
実は、多くのドッグフードに含まれている小麦や穀物は犬にとって消化のしにくい食べ物なのです。
犬は、他の肉食動物に比べると腸が長いのは事実ですが、人間の腸と比べてみると腸が短いのが分かります。また、狼に比べると、雑食性の特徴が見られますが、人間と同じレベルでの雑食性ではないのです。
小麦や穀物は犬にとって消化しにくい食べ物であり、アレルギーや消化器系の問題を引き起こす可能性もあります。肉食動物に近い消化器官を持っている犬は、穀物を効率的に消化するのに適していません。
犬に野菜は必要ないの?
野菜(食物繊維)を与えることで、腸内環境を整え、便秘予防や便通を良くする働きがあります。
しかし、どんな動物でも、野菜に含まれるビタミンやミネラルを消化・吸収できたとしても、食物繊維を消化することはできません。
そこで牛や馬などの草食動物は、微生物の力を借りて“発酵”させ、食物繊維を消化・吸収しているのです。また、肉食動物と草食動物では食性の違いが腸の長さに現れています。
草食動物は肉食動物に比べて腸が長いのですが、これは肉などの動物性食品は消化吸収が速やかであるのに対して、植物性のものは時間がかかるからです。
犬は、肉食に近い動物なので、生の野菜を消化・吸収することが苦手な動物です。与える際には、適切な量を守り、与えすぎないこと、消化がしやすいように必要に応じて調理をしてあげることが大切です。
バランスの摂れたフードには、すでに食物繊維が含まれていることが多いので、無理に野菜を与える必要はないですが、便通などでお悩みの場合は与えてみるのもオススメです。
また、野菜が醗酵されている状態は消化がしやすくなるので、醗酵した野菜を与えるのもオススメです。
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“ディアラ【生】醗酵フルーツ&ベジタブル“は季節ごとの様々な野菜と果物を醗酵熟成させました。
生の状態で様々な野菜や果物の栄養を効率的に摂ることのできるアイテムです。
手作り食のトッピングはもちろん、初めて生肉を与える場合にも。フードの5~10%ほどを目安によく混ぜてお使いください。
【生】醗酵グリーンパパイヤ
グリーンパパイヤ(未完熟で青い状態のパパイヤ)を醗酵させました。
グリーンパパイヤは栄養たっぷりで、完熟したパパイヤよりもカロリーや糖質が低いので、ペットフードのトッピングやおやつにはオススメです。
フードの5~10%ほどを目安によく混ぜてお使いください。
犬にオススメの消化しやすいフード
馬肉パーフェクトプラス
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【まとめ】狼と犬は似ているけど違う動物!
狼と犬は似ている部分もありますが、生活スタイルや習性などの違いから、別々の動物として分類されています。犬は人間との関わりの中で進化し、人間のパートナーとして生活してきました。現代の犬は、肉だけでなく穀物や野菜も消化することができますが、健康を維持するためには、栄養バランスの取れた食事を与えることが大切です。
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